小児矯正と成人矯正の違いについて
- 矯正歯科
歯並びを整える矯正治療には、子どもが受ける小児矯正と大人が受ける成人矯正があります。
実は、この2つには共通している部分とそうでない部分があるため、まったく同じ治療目的・内容というわけではないのです。
今回は、小児矯正と成人矯正の違いについて解説します。
小児矯正と成人矯正
矯正治療には、子どもが受ける小児矯正と大人になってから受ける成人矯正があります。
小児矯正は、子どもの歯並びや顎の成長などが成長してから正しくなるように導くことを目的として行われます。乳歯が生え揃ってから永久歯に生え変わるまでの間に行うため、6歳から12歳頃までに行うケースが多いでしょう。
まだ顎の骨が成長を続けている間に行われることから、治療しやすく期間も比較的短期です。
子どもの歯の段階に合わせて異なる矯正治療を行うのが小児矯正の大きな特徴です。
子どもの歯は、乳歯が生えてきてから生え揃うまでの間、乳歯から永久歯に生え変わる途中、永久歯が生え揃う頃という3つの段階に分けられます。永久歯が生え揃うまでの間に行うのが一期治療、生え揃った後に行うのが二期治療です。
小児矯正は子どもの歯並びを整えるためとはいえ、装置の取り扱いや口腔ケアの習慣づけなどについて、保護者が協力しなければスムーズに進めることはできないでしょう。子どもに任せるのではなく、親子で一緒に取り組んでいく必要があります。
一方、成人矯正は、歯並びに問題があるにもかかわらず、子どもの頃に矯正治療を受けなかった場合や、受けたものの成長してから歯並びが悪くなった場合に、正しい噛み合わせと美しい口元を取り戻すために行います。
永久歯がすべて生え揃い、顎の成長も終わってから行うため、歯を動かすのに時間がかかり、治療にかかる費用も高くなる傾向があります。
一般的に、成人矯正の対象となるのは18歳以上です。したがって、18歳になるまで小児矯正を受けられますが、高校生くらいの年齢になると、治療内容は成人矯正とほとんど変わりません。
ただし、新陳代謝が活発な年ごろであるため、大人よりも歯を動かしやすく、比較的短期間で治療が終了するでしょう。
小児矯正と成人矯正の主な違い
小児矯正と成人矯正はどちらも歯並びを整えるための治療ですが、違いがあります。違いとは、目的や費用、対象年齢、使用する矯正装置、痛みの有無などです。
小児矯正は顎の骨が正しく成長するように導くことと、将来的に永久歯が生え揃ったときへの備えを目的に行います。
永久歯に生え変わる前や生え変わる途中で矯正治療を行うため、歯を直接動かすことはできません。
将来、永久歯が生えてきたときを想定し、歯が並ぶスペースをきちんと確保できるよう顎を成長させるのです。
成人矯正の場合は、すでに顎の成長が終わっているため、歯の位置や角度などを細かく調整し、歯並びを整えることを主な目的として行います。
小児矯正のように、顎の成長を促進して大きさを変えることはできません。
そのため、歯の並ぶスペースが足りない場合には、抜歯してスペースを確保する必要があるのです。
費用を比較した場合、小児矯正は使用する装置や治療期間によって異なるものの、多くの場合は成人矯正よりも安くなります。
成人矯正にはさまざまな種類があり、費用がそれぞれ異なります。それでも、大抵の場合は小児矯正よりも高額になるでしょう。
対象となる年齢にも違いがあり、小児矯正の場合は通常5、6歳から治療を開始できます。
なるべく早い段階での治療開始が推奨され、受け口など、一部の症例では3歳頃から相談して早期に始めるケースもあるなど、状況によっては異なる対応が必要になることもあるでしょう。
成人矯正の場合は永久歯に生え変わった時点で治療を開始できますが、18歳未満であれば小児矯正、18歳以上は成人矯正という区別をすることもあります。
使用する装置にも違いがあり、小児矯正の場合は床矯正装置やムーシールドなど、成長期に合わせた専用の装置を使用することが多いです。
成人矯正の場合は大きく分けるとワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。ワイヤー矯正の場合、ワイヤーを取り付ける場所にも違いが生じます。歯の表面のみならず、裏側に装着するケースもあり、マルチブラケット装置を使用することもあるのです。
小児矯正と成人矯正は、痛みにも違いがあります。小児矯正の場合は顎の骨がまだ柔らかい状態であるため、治療中は痛みが少ないケースが多いでしょう。
しかし、まったく痛みがないわけではなく、装置の調整を行うときなどに、一時的に痛みや違和感が生じることもあります。
まとめ
小児矯正と成人矯正はどちらも歯並びを整えるための治療ですが、内容にはさまざまな違いがあります。小児矯正は顎の骨が成長を続けている間に行う矯正治療で、一般的に6歳から12歳頃に行います。
子どもの顎の骨の成長を利用し、永久歯がきちんと並ぶスペースを確保するのが主な目的です。成人矯正は成長が終わってから受ける矯正治療で、歯に圧力をかけて動かすことで歯並びを整えていきます。