親知らずの生え方で抜歯の難易度が異なります
- 一般歯科
親知らずは「誰にでも必ず生えてくる」というイメージを持たれがちです。
しかし、必ず生えるとは限らず、本数にも個人差があります。
生え方のバリエーションが多い「個性の強い歯」であるため、抜歯の難易度が大きく左右されるのです。
一筋縄ではいかない親知らずの生え方と、抜歯の難易度について解説します。
親知らずはどのように生えてくる?
親知らずは必ず生える歯ではありません。
また、生える場合も人によって本数に違いがあります。
さらには生え方にも違いがあり、ほかの歯のように真っすぐ生えることもあれば、傾いたり横になったりすることもあるのです。
このように一筋縄ではいかない親知らずですが、生え方には大きく分けて3種類あり、抜歯が必要になったときの難易度も異なります。
具体的には、「正常に生えるケース」、「斜めに生えるケース」、「埋まったままのケース」です。
正常に生えるケースの場合、親知らずはほかの歯と同じようにまっすぐ生えます。
そのため、抜歯の必要がないケースも多いでしょう。
上下ともに親知らずがまっすぐ生えている場合には、噛み合わせが正常に機能しています。
むしろ歯の本数が増える分、よりしっかりと噛めるでしょう。
抜歯せずに残すこともできますが、そのためには健康な状態を維持する必要があり、虫歯や歯周病の予防が欠かせません。
ただ、親知らずは最奥に生えるため、歯ブラシが届きにくく、磨き残しが発生しがちです。
磨き残しをできる限り減らすためには、奥まで意識して歯ブラシを届かせる一工夫が必要になります。
斜めに生えるケースは傾斜埋伏といい、歯ブラシが届かない隙間ができます。
そこに食べかすなどが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。
見逃せないのは、虫歯や歯周病は感染症であるという点です。
最初は親知らずのみに発生したトラブルでも、そこを起点として次々に感染が広がります。
せっかく残しても、ほかの歯を守るために結局は抜歯が必要になるリスクの高い歯といえるのです。
埋まったままのケースは、親知らずがあるものの歯茎や顎の骨の中に完全に埋まって見えない、もしくは一部だけがわずかに顔を出している状態です。
特に痛みや腫れがなければ経過観察することになり、問題が起こらない限りはそのままの状態を継続します。
しかし、痛みや腫れが起こったり膿が溜まって嚢胞ができたりしたときは、抜歯をすすめられるでしょう。
親知らずの生え方を正しく把握するにはレントゲン検査などが必要です。
抜歯の判断は、自己判断ではなく歯科医師に相談して決めてください。
親知らずの生え方による抜歯の難易度の違い
親知らずの生え方は一定ではありません。
そのため、生え方によって抜歯の難易度にも違いが出ます。
具体的にどのような違いが出るのでしょうか?
正常に生えるケースは、通常の歯のようにまっすぐ生えて、歯茎から完全に出ているため、他の歯と同様にスムーズに抜歯できます。
局所麻酔をかけるだけで対応できるケースが多く、抜歯にかかる時間も短いため、身体にかかる負担も大きくありません。
斜めに生えるケースは、抜歯の手間が増えることがよくあります。
歯茎の切開や歯の分割が必要になるため、正常に生えるケースと比べて難易度が上がるのです。
外科手術が必要になる分、歯茎に与えるダメージも大きくなるため、術後に腫や痛みが出やすくなります。
埋まったままのケースは、3種類の中で最も高度な手術を要する可能性が高いです。
歯の大部分が隠れているため、歯科医院での対応が困難だと判断され、専門設備の整った大学病院や口腔外科を紹介されることも少なくありません。
術後に腫れや痛みが出やすく、人によっては一時的に痺れを伴うこともあるでしょう。
以上のとおり、3種類の生え方によって、抜歯の難易度に違いがあります。
ただし、おおよその流れは共通し、まず行うのは、レントゲン撮影やCT撮影による診査と診断です。
歯科医師の説明を受けて治療方針に納得し、同意したのちに、抜歯を行います。
痛みを抑えるための麻酔は、局所麻酔のみならず、必要に応じて全身麻酔、静脈内鎮静なども使用します。
その後止血しますが、歯茎の切開を伴うケースでは縫合も必要です。
ここまでの処置が終わったら、あとは歯茎の回復を待つことになります。
術後は経過観察し、傷口が塞がったことを確認します。
縫合した場合には抜糸を行い、親知らずの抜歯に関する一連の治療は完了です。
なお、抜歯後は痛み止めや抗生剤が処方されるため、用法・用量を守って服用してください。
激しい運動や飲酒は、出血が増えるため控えましょう。
まとめ
親知らずは通常の歯と同じようにまっすぐに生えることもありますが、斜めに生える、大部分が埋まった状態で生えるといったケースが少なくありません。
生え方によって抜歯の難易度は異なります。
まっすぐに生え、歯茎から完全に出ていると抜歯は比較的容易です。
しかし、斜めになっていたり埋伏したりしていると、難しくなります。
親知らずの抜歯は必ずしも必要になるわけではないため、歯科医師に相談してください。