神経を取らないセラミック矯正【大井町フラミンゴ歯科式 審美治療】
- 審美歯科
セラミック矯正を検討する方からよくいただく質問のひとつが、「神経は取らないといけませんか?」というものです。
歯を削る治療=神経を取る、というイメージを持たれている方も多いですが、実際には、ほとんどのケースで神経を取る必要はありません。むしろ、神経を残すことが「歯の寿命を延ばす最大のポイント」です。
大井町フラミンゴ歯科では、1万本以上のセラミック治療実績をもとに、「できる限り神経を残す」=“生活歯セラミック治療”を基本方針としています。
神経を取るケースと取らないケース
結論から言うと、セラミック矯正で神経を取るのは例外的なケースのみです。
具体的には以下のような条件に当てはまる場合に限られます。
▶ 神経を取る必要があるケース
• 以前の虫歯治療などで神経がすでに感染・炎症を起こしている
• 歯が大きく出ていて、理想のラインに合わせるために削合量が多くなる
• 神経までの距離が極端に薄い場合(CTやレントゲンで確認)
ただし、これらは全体のごく一部であり、適切な削合設計と温度管理を行えば、神経を守れるケースがほとんどです。
エビデンスが示す「神経温存」の重要性
歯の神経(歯髄)を残すかどうかは、
歯の長期的な健康に直結することが複数の研究で明らかになっています。
• Goodacre CJ, et al. (J Prosthet Dent, 2001)
→ 神経を残した歯は、神経を取った歯に比べて破折率が約2.5倍低い。
• Sedgley & Messer (J Endod, 1992)
→ 生活歯(神経がある歯)は、失活歯(神経を取った歯)よりも弾性強度が約9%高い。
• Magne & Douglas (J Esthet Restor Dent, 2007)
→ 神経を残すことで、歯の光透過性が保たれ、セラミックの審美性が向上する。
これらの研究からも、神経を守ることが歯の寿命・強度・美しさを左右することが明確です。
大井町フラミンゴ歯科の“生活歯セラミック治療”の特徴
当院では、神経をできる限り残すことを最優先に設計しています。
そのために、以下の3つのステップを徹底しています。
① 削合を最小限に抑える設計
3Dスキャンとシリコンガイドを用い、削る厚みを均一にコントロール。0.8〜1.5mm以内に削合を抑えることで、神経への刺激を防ぎます。
② 冷却・温度管理の徹底
歯を削る際に水冷下で形成を行い、歯髄温度上昇を抑制。
Shillingburgらの研究(1995)でも、これが神経炎症を防ぐ有効手段とされています。
③ 症例に応じた“ベニア併用”
歯の傾きや位置関係によっては、削らない・ほとんど削らないラミネートベニア法を選択。削合量を0.2〜0.5mmに抑え、神経を完全に温存します。
神経を残すメリット
神経を残すことで、次のような大きなメリットがあります。
①歯の寿命が長くなる
神経があることで歯に水分が保たれ、割れにくくなります。
② 自然な透明感が出る
内部から光を通すため、セラミックがより自然に輝きます。
③温度や感覚が残る
冷たい・熱いの感覚や咬合感覚が維持され、違和感のない生活が送れます。
美しさだけでなく、「歯の生命力を残すこと」こそが真の審美治療です。
神経を残すかどうかの判断基準
当院では治療前にCT撮影とマイクロスコープ診断を行い、歯髄の位置・厚み・歯質の残量を正確に評価します。
その上で、削合量が神経に近づきすぎる場合は、部分的にベニアやハイブリッド法を組み合わせて神経を守る設計を行います。
結論
セラミック矯正で神経を取る必要があるケースはごくわずかで、ほとんどの患者様が生活歯のまま治療を完了できます。
大井町フラミンゴ歯科では、
• 削合量を0.1mm単位で設計し、神経を残す
• 水冷形成と3D設計で歯髄温度上昇を防ぐ
• ベニア法など低侵襲治療で歯の生命力を維持する
といった“歯を守りながら美しくする”セラミック治療を徹底しています。
見た目の美しさはもちろん、歯が本来持つ生きた感覚と自然な透明感を保つこと
それが当院の目指す「審美と生理の融合」です。
■ 参考文献
1. Goodacre CJ, et al. J Prosthet Dent. 2001;85(5):446–454.
2. Sedgley CM, Messer HH. J Endod. 1992;18(7):332–335.
3. Magne P, Douglas WH. J Esthet Restor Dent. 2007;19(6):340–350.
4. Shillingburg HT, et al. Fundamentals of Fixed Prosthodontics. 4th ed. Quintessence Publishing, 2012.
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